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感情にも形があるのではないかと思うことがある。人が怒ったり泣いたりすると、顔だけでなく心も普段の形を失い、奇妙に歪んだ姿を見せる。
心には平静の状態がある。イメージ的には綺麗な球体のような形をしている。心は何事も起こらない日常においては平静の状態を保っており、それが最も自然な形である。よって心はどんな状況になろうと出来る限り平静な状態でいようとする。
ところが心は思わぬ出来事(勿論それは各人の心で様々である)に出くわしショックを受けると、大きなストレスを抱える。このストレスは心に過剰な力を溜め込ませてしまう。この時心は大きく歪むのである。平静な状態の球体は内からある方向に片寄って力が加わり、普段と異なるいびつな姿に変わってしまう。過剰な力を何とか解消しない限り、心は平静な状態に戻ることができない。しかしながら心がその力を抑え込むのは相当に困難なことである。また器を持たない心そのものが直接外の世界、現実に力を発散させることもできない。
ここで心と身体の密接なつながりが発揮される。心のストレスが発生すると同時にそれはすぐ身体に伝わり、身体がストレスに対応する反応を起こす。つまり内に秘められた力が外に解放されるのである。こうして心に発生した力はほとんど解放される。また身体は心の歪みを実に上手に表現し、他者への理解を促す。内なる心にとっての最大の至福の一つは外の世界が自分をよく分かってくれることである。それゆえこれもまた、心の平静を取り戻す大きな要素となる。
この時心は、一部に異様に力が加わり張りつめた形から段々と角がとれて丸みを帯び、やがて元の球体へと戻る。おそらく心が平静な状態の形に戻るまでの過程は、身体が反応してから元に戻るまでの過程とほとんど時間を違わず対応しているのだろう。心の張りが身体中を貫き、突き動かす原動力となっているのである。そして身体の普段と異なる動きは心がどんな異状にあるのかを忠実に表しているのである…
ということを、ぶつかりそうになったバイクに乗っていたお爺さんの顔を見て思った。しかし例えば怒った時の心の張りつめた形は想像しやすいが、悲しい時心は一体どんな風に張りつめた形をしているのかなかなか想像がつかない。球体がどう歪んでいくのか、じっくり観てみたいものだと思ったのだった。