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 とある小説の冒頭部分。夜中に目が覚めてしまった主人公は、外に出て、今は何時頃だろうかと、空を見上げる。彼は星座の位置から大体の時間を知ることができるらしく、午前4時くらいか、と見当をつけて歩いていった。別に話の本筋とは何の関係もなく、文庫本ではほんの2、3行でさらりと書かれたこのシーンを、私は妙に気に入っていて、自分も星から時刻を知ることができるようになりたいと思っていたりするのだが、未だ実践できずにいる。
 さて、そんなことも関係しているのかしていないのか、先日、天文台へ星を見に行く機会に恵まれた。そこには、かなり大きな望遠鏡があって、それで、木星の縞模様やベガのダイヤモンドのような眩しさ、海王星の青や、肉眼では白く瞬いているようにしか見えない星の様々な色を見るのも勿論楽しかったのだが、何よりも私の心に残っているのは、地面に寝転がって眺めた満天の星空だった。
 人生で二度目の天の川、幾度も目にする流れ星、地元では目にすることのない数々の星。このとき、目にしていた星の中で、普段空を見上げたときに見ることができるものはほんの一握りだ。だが、たとえ普段見えないと思う星でも、確かにそこで瞬いているのだと、存在しているのだと、そう強く思えた瞬間、嬉しいというか満ち足りた気持ちというか、なんともいえない気持ちになって、特に何を話すわけでもなく、何処かからの虫の音だけが聞こえる中、体がすっかり冷え切ってしまうまで、私はただただ空を眺め続けたのだった。
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