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大学の後期が始まった。時間の密度が急激に高まる。粘液の中を泳ぐように、体力を消耗する。

この消耗は一種の快楽である。大学という知識と学問の府に於いて、めくるめく知のダイナミズムに揉まれることは、独特の恍惚感を伴う魅惑的な営みである。

 前期のあいだ、幾人かの優れた研究者との出会いがあった。学生の身分で教官の優劣を語るのはおこがましい限りだが、やはりひときわ輝きを放つ人物というのは素人目にも判るものだ。彼らと、その他の一般的な学者の違いは、独自の宇宙を持っているということに他ならない。整然と秩序づけられ、それ自身が閉じていながら、全体として絶え間なく伸縮し増幅する。そういう世界観を彼らは築いている。彼らの宇宙には、世の中のあらゆる事象や問題が位置づけられうる。時代の変化に伴い、突如として新たな概念が興隆したとしても、彼らの言葉はそれらを語り尽くすだけの力を持つ。

 そうした宇宙がキャンパス内に点在する。おそらく今日も、多くの人がそれらの宇宙に触れ、おそらく感銘を受けたり何か自分で考えたりする。けれども、もっと多くの人がそれらに無関係な一日を送る。世界観は、別なる世界観を変革することはあっても、世界を変革することはない。

 新たな世界観を打ち立てることの意味を考える。自分のことを知っている人がいて、知らない人がいて、これから出会う人と、出会わない人がいて、宇宙は無限に大きいようで、また同時に無に等しい。

 けれど、みんな人間である。それが、おもしろい。
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