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 私がここでふとメディア、とつぶやいた場合、それは古代オリエント王国のことではなくして、大体の人は情報を媒介するもの、すなわち「情報メディア」のことを指しているのだと解釈してくれるだろう。それだけ後者の意味での「メディア」が現代において頻繁に言及されるということの証左でもある。
 私が殊更強調するまでもなく、音楽を媒介するメディアの変化(進化?)は目覚ましい。音波を電気信号に替える技術は、音楽に録音・再生の調整という新たな手段を提供し、スピーカー・レコード・テープレコーダーといった新たな機器を生んだ。電気信号を数値化してデジタルに記録する技術は、音楽を劣化させずに保存することを可能にし、CD・MDという新しいメディアを登場させた。音楽メディアの歴史をみるに、この二つの契機が二大革命と考えられてよいのではないかと思うが、それに劣らず重要な第三の革命ともいうべき状況が近年起こっている、というのもまあ時々聞かれる言説であるが、私個人の所感として少し述べておきたい。
 その第三の革命というのは「メディアの無形化」。iTunesを代表とする音楽ファイルのダウンロード配信が普及したことにより、音楽は実体のあるメディアから遊離し、あらゆる場へ転送可能なものとなり、結果、携帯電話でもパソコンでもiPodでもiPhoneでも音楽が楽しめるようになった。またミュージックビデオとして視覚メディアと結びついた配信も盛んになり、音楽の楽しみ方は多様化している。それだけでない。音楽は編集可能なものとなり、今やyoutubeやニコニコ動画といった動画投稿サイトには、違法コピーの是非はともかくとして、いろいろな視覚メディアと組み合わされたり、好きな曲順に並べられたりしたファイルが夥しい数出回っている状況である。
 この音楽環境は、我々の音楽の聴き方にいかなる影響を及ぼしただろうか。音楽の聴き方の多様化というのは、単に人それぞれが「私は携帯で音楽聴く派」というように派閥に分かれただけでない。一人の人間の中にも「家に帰ったらニコニコ動画で音楽を楽しみ、出先ではiPod」というような複数の楽しみ方が混在するようになった。
 すると人びとは気付いたはずだ。音楽というものは、それ自身完結した価値を持つというよりは、それを聴く状況、気分、オーディオ環境、映像の有無など様々な条件で違った聞こえ方をするものであると。だから、同じアルバムでも気分を変えるためにシャッフル再生にしてみる。大体気になった音楽はyoutubeで聴くが、特に気に入ったものはCDで買う。それでもその曲への愛が冷めやらず、着うたでダウンロードして目覚ましに使う。音楽の聴き方は高度に複雑化した。
 だからこそ我々は、能動的に自らの音楽環境を選ばなければならないと思う。いたずらに四六時中音質の悪い音楽を鳴らし続けるのは、実は精神衛生上良くないことである。無責任な音に溢れた現代のサウンドスケープ(この語に関してはご自分で調べてください)は非常に劣悪である。私はMDに入れた音楽が、iPodに替えてから家でしか聴けなくなり、その覚悟はしていたものの、慢性的にストレスを感じるようになってしまった。主体的に良い音楽を志向しようではないか。それが音楽文化全体の高品質化にも繋がると信じる。
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