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総務省の「国民のための情報セキュリティサイト」というものを参照する機会がありました。インターネット利用上のよくある問題を扱っていて、「みんなが利用するものだからこそ、正しい知識と対策によって、安心して便利なインターネットを活用しましょう。このホームページでは、インターネットと情報セキュリティの知識の習得に役立ち、利用方法に応じた情報セキュリティ対策を講じるための基本となる情報をご提供」するそうです。初心者コーナー、エンドユーザー、ホームページの開設者、企業、と分かれて事例と対策が述べられています。
それ自体はどうってことのない内容なのですが、面白いのは初心者向けのコーナーには「一般」と「小学生」の二種類があることです。何が違うのか、見てみました。「初心者」のコーナーに入ったところ。一般の場合は以下のような文章が表示されます。C&P(コピー&ペースト)してみます。
「情報セキュリティ」とは、コンピュータとそのコンピュータにおけるさまざまな情報を守ることを言います。
私たちの日常の社会における犯罪と同様に、コンピュータの社会でも情報の盗難やコンピュータシステムの破壊といった犯罪が発生しています。そのような中で安全にコンピュータを利用するには、「情報セキュリティ対策」が不可欠です。
特に、インターネットは、私たちの社会生活を便利にしてくれるものですが、ウイルスの感染やコンピュータへの不正侵入、個人情報の流出など、常に多くの危険がつきまといます。インターネットを利用するための情報セキュリティには数多くの対策がありますが、まずは「ソフトウェアの更新」、「ウイルス対策サービスの利用、ウイルス対策ソフトの導入」、「パーソナルファイアウォールの利用」の3つを情報セキュリティ三原則として心がけるようにしてください。
では、小学生。C&P。
私(わたし)たちが生活(せいかつ)している社会(しゃかい)において、泥棒(どろぼう)や暴力(ぼうりょく)などの犯罪(はんざい)が起(お)こるのと同(おな)じように、コンピュータの社会(しゃかい)にも情報(じょうほう)の盗難(とうなん)やウイルスによるコンピュータシステムの破壊(はかい)といった犯罪(はんざい)があります。安全(あんぜん)にインターネットを利用(りよう)するには、コンピュータ社会(しゃかい)の犯罪(はんざい)から身(み)を守(まも)るための「情報(じょうほう)セキュリティ対策(たいさく)」が必要(ひつよう)です。
まずは、「ソフトウェアの更新(こうしん)」、「ウイルス対策(たいさく)サービスの利用(りよう)、ウイルス対策(たいさく)ソフトの導入(どうにゅう)」、「パーソナルファイアウォールの利用(りよう)」の3つによる情報(じょうほう)セキュリティ三原則(さんげんそく)を守(まも)りましょう
とりあえず爆笑いたしました。小学生って、これでいいんですね。総務省の感覚では。美しい日本語文からはまるでブラジルのように遠い。さらに、発音できればいいのかという最大の問題点があります。「セキュリティ」って、なかなかに難しい概念ですよ。「パーソナルファイアウォール」って何。「原則」という言葉は原則として小学校では習わないかと思いますが。犯罪を子どもには「泥棒や暴力」と教えるといいらしいです。大人は「心がける」ことを子どもは「守る」のですね。以下省略。
これがたとえ全てひらがなで書かれたからといって、小学校一年生に教えられるはずもありません。言葉を噛み砕いて教えることは手間がかかり、教えるほうがよく理解し、よく言葉を身につけていないとなかなかに伝わりません。ましてや普段小さい人と話さない人には。たまにそういう場面に出くわして苦労をよくするのですが、その時の苦労を思っても、この総務省の文章はお粗末極まりないものと思います。
もっとも、出会った言葉が分からず、調べたり訊いたりして言葉を広げていくことも立派な学習で、早くからそれができる環境にいられるのは幸せであるとは思います。しかし教えるほうの姿勢として、目線をある程度そろえること、そして今回は言いたいことをきちんと伝えるという意味において、文章自体を易しくする配慮がもっとなされるべきかと思います。ひらがなで書かれたものがレベルが低いわけでもなければ、漢字で書かれたものが大人なわけでもありません。