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大江山いくのの道の遠ければ まだふみも見ず天橋立
先日、天橋立へ行ってきた。だが天候と体調が悪かったため、実際天橋立を見ることも歩き回ることもしていない。全く、若い身空で何てだらしがないんだ、日本三景だぞ天橋立は、とお思いの方もいらっしゃることだろう。全くその通りなので、私は何も申し開き出来ない。
結局、そこで唯一私が見たものと言えば、なんと砂州と陸地の繋がっていない、僅かな海間だけであった。
そこは一見、ただの水路にも見えるような場所であるが、さすがに海、クラゲがいた。白く半透明なやつらがプラプラ浮かんでいるところを見ると、あぁ私もああいう風になりたい、とかわけの分からないことを思ったりして、なんだかちょっとブルーになった。
けれど暫くして、私はやつらのうちの一匹が、ペラペラになって死んでいこうとしているのを見つけた。彼は最早、水面に浮かぶビニールみたいになってしまっているのだが、それでも一部、収縮活動をしている。あぁ、彼のクラゲもご寿命なのかな、と私が思っていたところへ、ふと顔を上げるとモーターボートが、ぶぉぉぉんっと目の前を走り去っていくところだった。左から右へ。そして少したって、右から左へ。
うわあ私も乗りたいかも―、と思ったが次の瞬間、クラゲってモーターボートで死んじゃうんじゃないのかな、とふと思った。彼のクラゲが陽に当たろうと水面をプラプラしてたところ、逃げるよりも先にモーターボートにひかれて、そして今死にゆくところなのだったら?そう思うと、少し申し訳ないなと思った。車にひかれる犬や猫と一緒で、弱肉強食の為にでも、まして寿命の為にでもなく無駄に殺されるというのは、これは世の無常ではなくただの人の理不尽である。
とは言え、死にゆくクラゲを前にして私はぼんやりとそのようなことを思ったのみで、あとはさっさと車に戻ってしまった。寒かったし体が重かったから。ついでに言うと、無常も理不尽の一種であるから。