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孝太郎編集員と、ゲストの方とで、かわるがわる記事を書いてゆきます。孝太郎本体に関するお知らせ(ex.第○号を出しました!)をここですることもあります。
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先週は風邪をひいて寝込んでしまって、原稿を書くことができなかった。編集部に大変迷惑をかけてしまって申し訳ない。もし(万が一にも)月曜日の記事を楽しみにしていただいている読者の方がいらっしゃったなら、その方にも残念な思いをさせたかもしれない。

誰の言葉だったか思い出せなくて歯がゆいが、むかし次のような金言に出会ったことがある。

 

“風邪をひいても世界観は変わる。世界観とは風邪のようなものだ。”

 

 健康な時でも「なるほど」と思うが、実際風邪をひくといっそう「なるほど、なるほど」と実感がわく。まず、周囲の環境に対する感じ方ががらりとかわる。布団はいつもよりあつぼったく感じられるし、金属製品は「ひんやり」を通り越して「ぞくぞく」した冷たさしか与えなくなる。味覚も嗅覚も鈍くなり、食事を十分に楽しむことができなくなる。

さらに、意欲や思考にも影響は及ぶ。少しくらいは勉強をしようかと思っても、瞬く間に集中力が切れる。仕方がないので本を読んだが、こちらも読み進めはするものの内容の理解はいまいち浅い気がする。しまいに投げやりになって、ラジオを聞き流しながら、布団の中で一日中じっとしていた。

医者にもらった薬がよく効いて、2日ほどで完治したが、もしこれが、例えば2週間続いていたらどうだろうか。世界観はさらに大きくかわっていくだろう。あるいは世界観が変化したまま定着していくだろう。2ヵ月だったらどうだろうか。2年ならどうか。そうなったら、もうそれは世界観の「不可逆的な」変化と言えはしないだろうか。「風邪っぴきの世界観」が「ふつう」になってしまって、発症から2年と1日目に突然風邪が治ったとしたら、逆に「風邪をひいたような」変な感覚に襲われるかもしれない。

「世界観とは風邪のようなものだ」という言葉を文字通り受け取る必要はないが、我々が平常時にほとんど無意識的に受け入れている世界観は、実は大して当てにならない、ちょっとしたきっかけですぐに揺らぐものなのだということは、ときどき思い出すとよいだろう――せめて風邪をひいたときくらいは。

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