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フルキャストの事件。幹部クラスの人々が人権侵害メールを回していた,というやつです。陰口。それも精神的な不調を訴えたことに対して。言葉遣いがエリートでも内容が内容ならば人間的に低いのは歴然。
しかし,疑問でした。どうやって発覚したのだろうか,と。企業の幹部の相互のメールです。内容が中傷であったとしても,普通分からないはずです。被害を受けた人は何故気づけたのか。
調べてみましたら,被害者と会社は精神的な不調から労働交渉に当たっていたようです。被害者が会社に送った交渉関係のメールを幹部は意見を加えながら転送しあっていたらしく,その際被害者に誤って送信した人がいて発覚した,とのことです(asahi.com記事2月27日)
一人のうっかりミスが全てだったというわけです。それも被害者に送ることになるとは…受け取ったときの辛さは量りかねます。悪いことはバレて報いを受ける,というのは言い古されていることですが,今一度それがある面正しいなあと思います。筆者の祖母はよく「昔の人はよく言った」という表現を使って,現代に残る知恵を評価します。因果応報の現代的な意味ですね,「悪事は必ず裁かれる」。メールというのは秘密である,という当たり前のことが何故かこういう大事だとうっかりバレる。もちろん真理というわけではないでしょう。暴かれない多くの悪事があるかもしれませんし。
印象的な事柄を集めたものが古来からの言い伝えであると思います。真理ではないにしても,これだけ今の世の中にも普遍性をもつ時があるというのに驚きます。現代では例えば「夕焼けは翌日晴れ」などや土地の人の天気の予測,「おばあちゃんの知恵」など解明されているものも少なくありませんが,そうでない道徳的な言い伝えも多いわけで,それもやはり何かしら説得力を持っている。科学ではない知の蓄積があるのだと思います。
「昔の人はよく言った」というのは実感です。昔からの知の蓄積をそうやって受け止められる力を我々は持っているといえます。ただ,今回の場合実感できるというのは,つまりは悪事がバレることであり,そもそも悪事は消えないあたり蓄積しているのか,という矛盾にも突き当たります。現れた矛盾にどう知を向けるか。これは後々蓄積するかもしれません。残る知恵もそうやった蓄積の結果でしょう。