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毎年この季節になると、私の家のそばの川には蛍の光がちらりほらりと見られる。私は毎年見に出かけるのだが、闇のなかで目を凝らしていると、少し間をおいてぽぉっと黄緑色の火が点灯される。この瞬間の幻想的な光景は、まさに「ほたる狩り」の醍醐味だ。気が向くとこっちに向かって来てくれる穏やかな飛び方、何にもとらわれずに生きているよと言っているかのような点滅の間隔、それらはとても心を落ち着かせる。そしてなによりも、この昆虫を見るために、子供やお年寄りも集まって皆が同じように感動しているのは心温まる風景だ。

 

そうして、安らぎを感じる一方で、「ほたる狩り」の時はいつもどこかで不安がよぎるのだ。それは、きっとあの光の色のせいだろう。当然だが、蛍の光は「蛍光」色なのだ。ラインマーカー、蛍光灯、パソコンの電源を入れたときの点灯ランプ・・・蛍の光から連想されるものは人工物だけである。あの発光の仕方とあの明るさは自然の中では他には見ることのできないものだ。紅葉や炎のような暖色なら、「ああ自然の光だ」と単純に思うのだろう。しかし、蛍光は落ち着かない。イメージとしては、暗闇とのコントラストもあいまって、宇宙人や未確認飛行物体を連想させる。それゆえ、私をひどく不安にさせる。

 

実際に蛍が出す光はあたたかくないそうだ。種類によっては毒をもつホタルも存在する。恋の歌に数多く詠まれていた蛍の光だが、よく見てみよう、身を焦がすような色ではないだろう。蛍雪の功、あの色では落ち着いて勉学にも励めないだろう。

 

「ほたる狩り」時に自分に言い聞かせる「なんて趣深いのだろう。」しかし、こんどは一度すべてのフィルターを取り去って、あの蛍の川に出かけよう。暗闇に消えては光る黄緑の光に、私はどんな感情を抱くのだろう。
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