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不思議な先輩に出会った。工学部4回生の方で、光や音データの処理について研究しているという。将来的には、例えば、奥行きや質感を伴った映像情報を保存できる仕組みができれば、文化財保護などに活用されうるらしい。
そんなご本人が特異な感覚の持ち主で、自己暗示能力が尋常ではない。実際には存在しない光や音情報を脳内で作り出し、それをありありと感じることができるのである。例えば、街角で素人バンドが演奏を繰り広げていて、ドラムが特に調子っぱずれで聞くに堪えないと思ったら、ドラム音だけを脳内で消去し、より正確なリズムを「脳内ドラム」で刻んで合成することによって、かなりましな演奏を自分だけ楽しむことができるのだそうだ。同じ原理で、合唱団の中の気に入った人の声だけを聞いたり、下手な人の声だけを消したりすることはおてのもの。ソロアーティスト同士の架空コラボレーションを脳内で開催することもできる。
この能力は、その他のあらゆる身体感覚に及ぶ。視覚的な面では、目の前の白いコップに金メッキをかけたり、無地の壁に瞬時に壁画を描いたりできる。アロマテラピー検定1級を持っており、「ベルガモットとラベンダーを混ぜた香り」など、任意の嗅覚情報を鮮明に想起できる。また、眠れない夜は、まず全身が冷たい水に浸ったイメージをすると体がぶるぶる震え、次いで温かい湯に入るイメージをすると全身が一気に緩んで温まり、スムーズに眠りに入れるという。
彼に言わせると、「自分が持っている程度の能力はたいしたことはない、もっとできる人もいる」のだそうだ。そういう人は、目の前の現象が実際存在するものなのか、自分が想像しているものなのか、その区別もつかなくなるらしい。