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 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

 季節はずれのそんな短歌。といってもこの短歌に季節なんて関係なく、何でもないフツーの日のフツーの出来事を記念したくなるぐらい私は幸せなのよっていう短歌なのよっていう私の認識で、7月6日っていうのは出来るだけ何でもないフツーの日を選んで、サラダっていうのは出来るだけ何でもない料理を、ってちょっと待ちなさいな。サラダて。
 作者が意図したかどうかは別に問題ではないのですけれども、せっかくの31文字を「フツーの幸せ」で済ませてしまっては短歌という芸術に対して失礼なので、ちょっと穿ってみましょうよっていうことですよ。
 サラダっていうのは「野菜などを塩、酢、油、香辛料などで和えて盛りつけた料理の総称」とウィキペディアにあって、一般的にそれほど手間のかかるものではないし、味の優劣が問題になる機会も少ない料理だと思います。それを男が女に向かって「この味がいいね」という状況や如何に。
 女の子が一生懸命作った料理を「美味しいね」なんつって褒めて「ありがとう」なんつってそんな新婚の甘ったるい空気の中では「この味がいいね」という白々しい台詞は生まれないでしょう。きっとこの男は前日出されたサラダのドレッシングが気に入らなかったのです。「何か前のドレッシングの方が良かったなあ」「あらそう。じゃあまた前のを買っておきますよ」「ああ、ありがとう。」そして翌日のサラダは今までと同じ美味しいサラダ。「やっぱりこの味がいいね」「じゃあこれからもそのドレッシングにするわね」
 フツーの幸せなんてものでもない、本当に「ただのフツー」の夫婦の会話を想像する方がこの短歌は楽しいような気がします。日付は7月6日。七夕の前日ですが新暦なので梅雨は明けていません。じとじとと雨が降っていてそれほど気分が良いわけでもないし、かといって特に悪いわけでもない。そしていつも通りの食卓。何気ない会話でこれからのドレッシングの銘柄、いつぬりかえられるとも知れない協定が取り決められた、それだけの日。だから何、といわれてもそれだけ。それがサラダ記念日。

 少し余談をしておくと7月6日はこの短歌にちなんで「記念日の日」とされているらしいです。記念日って何?そんなことを考えさせるための短歌だったのかも知れません。

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