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ちょっと好奇心から「マックスウェルの悪魔」について最近考えていました。物理学的に,あらゆるもののエントロピーは増大する。水に落としたインクは例外なく拡散して均一になろうとする。分子は確率が最も高い形になろうとし,それゆえアトランダムな形になる。分子が矢印のような形だとしたら,一方向を全部が向く確率は場合の数も一通りくらいになるが,それに反する矢印が増えるほどその場合の数も多くなり,結果矢印を自由にさせておくと全部があらゆる方向を向くことになる,そんな感じの事柄を見つけました。
これは同時に人間社会にも当てはめようとできるようで。意見を話してもみんなが自分の考えと同じように考えてくれる確率は経験的に低いと分かっていますが,これも「全員の意見が同じ」状態はエントロピーが低いということになります。
そこでマックスウェルの悪魔。悪魔に力はありません。悪魔がいるところに窓のようなものを想定し,分子が移動する時,特定のものが来た時だけ通し,あとはシャットアウトする,それができるだけの存在です。これがいたらエントロピーを減少させる事象が可能になるわけです。インク分子だけ通せば水とインクを分離できたり,温度の高い(運動量の多い)分子だけ通せばお湯を水と熱湯に分離できたり。一応,仮定の産物ですが,この存在について考えていくことはある物理学者曰く「救世主となりうる」そうです。よく分からなかったので私はこれ以上このことは触れません。
「話しても分かる人と分からない人がいる」っていうのは世の常套句です。全員の納得を求めようとしても,母数が増えるほど難しくなります。もしマックスウェルの悪魔がひょんな調子で働いたなら,突如として意見が一方向に揃う,ってこともあり得ますが,「真理」とある人が考える,多数の人が考えるものでさえ揃わない。不思議です。
それでも,小集団においても,諦めない人は諦めず言葉を発しています。世の常と考えてもっと効率のいい手段をとる人もいます。どちらがいいとは判断しませんが,エントロピーの少ない自然状態に負けておれず,悪魔まで生み出して,一致を求めること,平和など切実に願う人などはとくにそうあるというところに人間臭さというか,はかなく強い熱情というかを感じています。